3,歯茎が下がる原因とその対策:歯周外科治療で解決

歯茎が下がる(歯肉退縮)問題は、見た目だけでなく、歯の健康にも大きな影響を与えます。歯の根が露出することで感覚過敏が生じたり、虫歯のリスクが高まったりすることがあります。今回は、歯茎が下がる原因と、それに対する対策、そして歯周外科治療でどのように解決できるかを解説します。

歯茎が下がる原因

  1. 歯周病
    歯茎が下がる最も一般的な原因の一つは、歯周病です。歯垢(プラーク)や歯石が溜まると、歯茎が炎症を起こし、やがて歯を支える骨や歯茎が破壊されていきます。その結果、歯茎が徐々に後退し、歯が長く見えるようになります。
  2. 強すぎる歯磨き
    歯磨きを力強く行うことで、歯茎にダメージを与えることがあります。硬い歯ブラシや横磨きの習慣は、歯茎を傷つけ、時間と共に後退させる原因となります。
  3. 加齢
    加齢によっても自然に歯茎が後退することがあります。特に歯周病が併発すると、年齢とともに歯茎の健康が悪化しやすくなります。
  4. 不正咬合(噛み合わせの問題)
    歯並びや噛み合わせが悪い場合、特定の歯に過度の力がかかることがあります。その結果、歯茎が下がりやすくなります。
  5. 喫煙
    喫煙は血流を阻害し、歯茎の健康に悪影響を与えます。血流不足により、歯茎の再生能力が低下し、後退が進行しやすくなります。

歯茎が下がることによるリスク

歯茎が下がることで露出した歯根は、感覚過敏や虫歯のリスクが高まります。また、見た目の問題から、歯が長く見えるようになり、口元に自信が持てなくなることもあります。放置すると、歯周病の進行と共に歯の安定性が失われ、最悪の場合、歯を失うことになります。

歯茎が下がった時の対策

  1. 正しいブラッシング方法の見直し
    歯茎に負担をかけない優しいブラッシング方法を身につけることが、歯茎の健康を保つ第一歩です。柔らかい歯ブラシを使用し、歯と歯茎の境目を丁寧に磨きましょう。また、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することも効果的です。
  2. 歯周病治療
    歯周病が原因で歯茎が下がっている場合は、まず歯周病の治療が必要です。歯科医院でのスケーリングやルートプレーニングによって、歯垢や歯石を除去し、歯茎の炎症を抑えることができます。
  3. 歯肉移植術(歯周外科治療)
    歯茎が大きく下がってしまった場合、歯周外科治療である「歯肉移植術」が効果的です。この治療では、患者自身の歯茎を別の部位から移植し、下がった歯茎を補うことで、歯根を保護し、見た目も改善します。

歯周外科治療で解決

歯茎が下がってしまった場合、歯周外科治療が最も確実な解決策です。特に、以下の治療法が効果的です。

  1. 結合組織移植術(CTG法)
    歯茎が下がった部分に、上顎の口蓋から採取した結合組織を移植する方法です。これにより、歯茎が再生し、露出した歯根を覆うことができます。審美性にも優れた結果が期待できます。
  2. 遊離歯肉移植術
    歯茎が薄い部分に対して、自身の歯肉を移植し、厚みを持たせることで、今後の歯茎の後退を防ぐ方法です。特に噛み合わせの力が強い部分に有効です。
  3. 再生療法
    歯周病が原因で歯を支える骨が破壊されている場合、再生療法を行うことがあります。骨や歯茎を再生させる特殊な薬剤や材料を用いて、失われた組織の回復を目指します。

まとめ

歯茎が下がる問題は、日常的なケアや歯周外科治療で対策が可能です。特に、歯茎が大きく後退してしまった場合は、歯周外科治療によって歯の健康を取り戻すことができます。早期に対応することで、さらなる進行を防ぎ、未来の歯と歯茎の健康をサポートしましょう。

医療法人櫻陽会たなか歯科クリニック